2006 Fiscal Year Annual Research Report
4次元多様体のChern-Simonsゲージ理論の量子化の研究
Project/Area Number |
16540084
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
郡 敏昭 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50063730)
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Keywords | Chern-Simonsゲージ理論 / 幾何的量子化 / シンプレクティク幾何 / 電磁ヘリシティ |
Research Abstract |
4次元多様体上の平坦接続の空間の準量子化についての研究を完成し、その結果をまとめた論文を06年2月に投稿し、その後見つかった誤りを9月に修正し、現在査読の結果を待っている.接続の全体が準シンプレクティック空間となること、境界上で自明なゲージ変換群がこの空間に曲率をモーメント写像としてハミルトン作用することを昨年までに示していたが、そのシンプレクティック縮退がWeinstein-Marsdennの方法で証明できるとした部分はまちがっていたことがわかった.シンプレクティック縮退の方法が適用できなくとも、このモーメント写像の値が0となる平坦接続の空間が多様体となり準シンプレクティック構造を持つという結論は正しいことが示せた.5次元多様体の境界となるコンパクト4次元多様体の開部分多様体に対して幾何的量子化の構成ができること、5次元Chern-Simons関数のグラディエントベクトル場との関係、Chern-Simons関数の4次元への境界値が幾何的量子化の切断の空間へのルジャンドル埋め込みとなることなどが示されていた.以上の結果を06年微分幾何シンポジウム(金沢大学)の基調講演において報告した.続いて、本年は境界をもつ4次元多様体上の平坦接続の境界値の空間を特徴づける研究を行った.3次元多様体の上の平坦接続の空間にCartann 3-形式の類似を導入し、それによりこの空間が歪シンプレクティックとなることを示した.3次元多様体の上の平坦接続が4次元多様体上の平坦接続の境界値となるためには、この接続の3乗の積分が消えることが必要十分であることを示した.この研究と平行して、流体力学のオイラー方程式や電磁マクスウェル方程式の解の空間におけるHelicityについても研究した.
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