2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
志賀 徳造 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60025418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱名 裕治 熊本大学, 理学部, 助教授 (00243923)
白井 朋之 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70302932)
野村 祐司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40282818)
稲浜 譲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80431998)
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Keywords | random environment / random probability distribution / infinitely divisible / Levy-Khinchin formula / Levy-Ito representation |
Research Abstract |
1。ランダム環境中のランダム粒子の運動について複合確率に基づく確率解析(quenched analysis)と環境をごとの粒子の挙動の確率解析(annealed analysis)の中間に位置するものとしてランダムな分布の解析が意味を持つ重要なクラスがある。この極限状態の記述のために ・ランダムな確率分布に対する無限分解可能性を定義し、対応するLevy-Khinchin公式を得た。次に、確率分布の空間上でPoisson積分を導入し、Levy-Ito typeの表現を得た。さらに1次元確率分布の空間に値をとるLevy過程を定義し、対応するLevy-Ito型表現定理を証明した。 ・ここで得た結果をランダム環境下のランダム粒子モデルに応用し、固定した環境の下での到達時間の分布をランダム確率分布と見て、そのスケーリング極限がstableランダム確率分布になることを1次元の解析が実行可能なモデルに対し証明した。これらの結果は田中洋との共同研究である。 2。研究分担者白井朋之はGinibreランダム行列の複素固有値について、その固有値分布関数の極限に現れる指数をもつ行列式点過程を構成し、半径$r$の円内に属する固有値の個数に対する中心極限定理と大偏差原理を証明した。 また無限グラフ上のラプラシアンのスペクトルについて考察し、一般に最大値と最小値の和は常に2以下であることが知られているが、その和が真に2より小さいときはグラフが本質的に非二部グラフであることを証明した。 3。研究分担者濱名裕治はd次元格子上の単純ランダム・ウォークS_nが時刻nまでに訪問する点の個数R_nに対し、R_{2n}の条件S_{2n}=0の下での大数の法則と大偏差原理を調べ,条件付きでないばあいと同様の結果が得られることを証明した。 4。研究分担者稲浜譲はラフパス理論とそのなかに出てくる伊藤写像のテーラー展開を中心に研究した。この結果は確率論、とくに漸近定理などへの応用が期待できる。
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Research Products
(6 results)