2004 Fiscal Year Annual Research Report
流体関連の方程式の解の正則性に関する数値解析的研究
Project/Area Number |
16540103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
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Keywords | 磁気流体力学方程式 / 乱流 / オイラーラグランジュ定式化 / 特異点 / 特異摂動 |
Research Abstract |
Navier-Stokes方程式に対する、Euler-Lagrange定式化を磁気流体力学の場合に拡張を行った。2つのヘリシティの保存則に対して、2種のWeber変換があるが、磁気プラントル数が等しい場合には、1つの接続テンソルを用いてEuler-Lagrange定式化が可能であることを示した。この定式化を用いて、直接数値計算を行った。2次元O-T(Orszag-Tang)流ω=-2(cosx+cosy),a=2cosx+cos(2y)(ωは渦度、aは磁気ポテンシャル)に適用したところ、時間発展の下でdet(∇A)が0になり、拡散をもったマップAを、A=xとリセットする必要があることが分かった。そして、これが磁気リコネクションに対応することを確認した。次に、3次元に拡張したO-T流、および直交する磁束管を初期値とする数値計算を行った。これらの場合にもやはり、リセットが起きることを確認し、その物理的意味の詳しい解析を進めている。より現実的な捻りをもつ磁束管に対する数値実験を予定している。 また、理想的な磁気流体力学においては、Beale-Kato-Majda流の正則性判定基準は、もし時刻Tで解の爆発が起きるならば ∫^T_O(||ω||_∞+||J||_∞)dt→∞ となることが知られている。(Caflisch et al. 1997)ここでω,Jは各々、渦度、電流である。この基準が、流体場と磁場の双方の最大値ノルムを含むのはElsasser変数を用いて速度、磁場を対称/反対称化した形の方程式を用いて解析を行ったためである。理想流体の場合、磁場は凍結場であることは周知であるが、もう1つ隠れた凍結場が知られている。(Vladimirov-Moffat 1995)ここでは、この2番目の保存法則を考慮すれば、磁場Bが正則であれば、MHD方程式の解に爆発は起きないことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)