2006 Fiscal Year Annual Research Report
エキノコックス症数理モデルの深度化と応用シミュレーション
Project/Area Number |
16540105
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石川 洋文 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00108101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 安久 岡山大学, 教育学部, 助教授 (70156636)
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Keywords | エキノコックス / 数理モデル / シミュレーション / 北海道 |
Research Abstract |
本研究は、本邦北海道全域にその感染域が拡大し、また本州に感染の侵入が懸念されている人畜共通感染症であるエキノコックス症(多包条虫症)について、伝播に関する数理モデルを構成し、シミュレーションを通して宿主動物に対する対エキノコックス・コントロール対策効果予測を行い、医学者・獣医学者との協力のもとで住民の感染危険防止に貢献することにある。 エキノコックス感染伝播は、複雑な感染環に支配され、野生動物がその主要な役割を担っていることから、その流行には大きな揺らぎが生ずる。本年度は、エキノコックスの中間宿主(vole)におけるCyst形成モデルを導出し、これを従前開発した終宿主(fox)の捕食関数と組み合わせ、虫卵排出モデルを構成した。さらに終宿主キタキツネの個体を基礎としたエキノコックス伝播モデルのStochastic化を図った。北海道小清水町で実施したベイト散布によるコントロール結果を利用によるfollow-up研究では良好な結果を得た。コントロール施策評価シミュレーションにより、エキノコックス流行抑制のためのベイト散布法に関する有用な知見を得た。また、自然環境内の活性虫卵量の推定から、住民に対するエキノコックス感染危険度の季節変動に関する新しい知見を得ている。以上の研究成果は、本年度研究協力者仁科朝彦が第75回日本寄生虫学会において講演を行い、また論文が本年度に寄生虫学の国際学術誌Parasitology Internationalに登載された
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Research Products
(5 results)