Research Abstract |
X_1,...,Xnは互いに独立で各Xiはμについて対称な同一の連続分布関数F((x-μ)/σ)をもつ1標本モデルを扱った。μとσは,それぞれXiの平均と分散であるが未知パラメータとする。検定,点推定についてパラメトリック法,ノンパラメトリック法,セミパラメトリック法を,これまで以上の多くの分布F(x)について,漸近理論により調べた。とくに,漸近効率も,t分布や混合正規分布について具体的な数値実験は行われていないのでこれを行なった。また,シミュレーション実験により,小標本での特長も調べ、正規分布いがいのときのノンパラメトリック法,セミパラメトリック法の優位性を論じた。分布F(x)の手法の長短を基に,分布探索の統計量を導入し,これをつかってパラメトリック手法,ノンパラメトリック手法,セミパラメトリック手法のいずれかを選択する新しい統計手法を提案した。つぎに分布探索によるこの統計手法について,漸近理論により推測方法の良さについて解明した。並べ替え検定の離散確率の計算法の解明,推定の効率,異常値に対する頑健性をシミュレーションにより調べた。漸近収束の速さを検証するために,パーソナルコンピュータによるシミュレーション実験を行った。分布探索によるこの統計手法とパラメトリック法,ノンパラメトリック法,セミパラメトリック法の比較を漸近理論とシミュレーションによって行い,分布探索による統計手法は,他の手法に比べて安定した良い結果を得,現在論文として投稿し,レフェリーのコメントに従い修正論文も再度提出した。セミパラメトリック法の区間推定法を提案し,頑健性を示した論文が2004年に掲載されたので,これをもとに分布探索による区間推定の手法を考察中である。多重比較について,順位による頑健手法を提案し,分布論や,漸近効率の良さについて論じた結果をまとめており,分布探索を使った多重比較法への提案の基礎となる。今野氏によって尺度パラメータの研究がなされ,彼の研究を基にして尺度母数の推定量を使った分布探索法を論じた。
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