2005 Fiscal Year Annual Research Report
共通の上界・下界構造を持つ半順序集合の族と、それを表現するグラフの特徴について
Project/Area Number |
16540115
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Research Institution | BUNKYO University |
Principal Investigator |
惠羅 博 文教大学, 情報学部, 教授 (60185147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 俊男 文教大学, 情報学部, 助教授 (40286026)
堀田 敬介 文教大学, 情報学部, 講師 (80327022)
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Keywords | 応用数学 / グラフ理論 / 半順序集合 / 有界グラフ / poset |
Research Abstract |
upper bound graphの特徴付けには、McMorrisとZaslavskyによるclique coverを用いたものが良く知られている。これは、グラフのグローバルな構造的特徴付けであり、アルゴリズム的あるいは構成的な観点等、別の特徴付けの余地があると考えられる。今回の研究では、グラフの族を限定することによって、与えられたupper bound graphに対応するcanonical posetのforbidden subposetsの族を決定することができた。以下がそれらの概要である。 与えられたupper bound graphに対応するposetの中で、posetを関係の集合とみなしたときの極小のものをGのcanonical posetと呼ぶ。canonical posetは与えられたG毎に一意に決まる。今回の考察は、Gの固有の性質によってそれらのcanonical posetが持ち得ない構造が生じることを、そのcanonical posetのforbidden subposetの概念で示そうと試みたものである。ただし、ここで着目しているのはposetの上界構造であるから、一般のsubposetの概念を用いることには無理があり、D.D.Scott(1986)によるm-subposetの概念を用いることが自然なことと思われた。QがPのm-subposetであるとは、任意のP(かつQ)の2元x,yがPにおいて上界m_1を持てば、Qの中においても上界m_2を持つことが満たされるときを言う。その結果、次の3とおりのグラフのクラスについて、forbidden m-subpostの概念による特徴づけが得られた。 Gがsplit upper bound graphであることと、Gのcanonical posetがP_<2K2>をm-subposetとして含まないことは同値である。ここに、さらに、Gがthreshold upper bound graphであることと、Gのcanonical posetがP_<2k2>とP_Wをm-subposetとして含まないことは同値である。Gがdifference upper bound graphであることと、Gのcanonical posetがP_<2K2>とPをm-subposetとして含まないことは同値である。
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Research Products
(1 results)