2006 Fiscal Year Annual Research Report
力学系に伴うPerron-Frobenus作用素の固有値と疑似乱数に関する研究
Project/Area Number |
16540121
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森 真 日本大学, 文理学部, 教授 (60092532)
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Keywords | エルゴード理論 / 擬似乱数 / rotation number / 大偏差原理 |
Research Abstract |
力学系による疑似乱数の生成についての研究をまとめ,それがLecture Notes Monographに掲載された.これまでには1次元の一般論と2次元と3次元の特殊な場合について力学系から疑似乱数を構成できることが証明できている.対応する力学系のPerron-Frobenius作用素がcompact作用素でないことから,スペクトル理論の一般論を用いることができないことから,高次元の一般論についてはまだわからないことが多く,その研究を現在すすめている. 力学系の大偏差原理へのPerron-Frobenius作用素の理論の応用と,1次元力学系のrotation numberの研究も目指した. 期待値への収束は大数の法則で示され,混合性の収束の速度は対応するPerron-Frobenius作用素のスペクトルによってけってできることを以前に示したが,大偏差原理は期待値から離れた値への収束のオーダーを評価するもので,確率論からも力学系の理論からもさまざまな応用も考えられる.これについては摂動Perron-Frobenius作用素のスペクトルを用いて特徴づけることが可能であることがわかった.これに関する論文は現在投稿中である.この研究をさらに高次元へとすすめたいと考えている. Rotation numberは1次元のhomeomorphismの性質を定める重要な量であるが,1次元のhomeomorphismはexpandingでないために,求めるにはさまざまな困難がありこれまで限られた研究しか行われていなかった.より広い範囲に適用できる一般論の構築を目指しているが,現在piecewise linearな場合についてかなり広い範囲の力学系のrotation numberを求める方法をPerron-Frobenius作用素のspectrumによって特徴づけることができた.その結果を現在投稿中である.これからもhomeomorphismを含んだより広い関数のクラスで作られる力学系のrotatlon numberについて,より一般敵な理論の構築ををすすめていきたいと考えている.
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Research Products
(1 results)