2006 Fiscal Year Annual Research Report
グラスマン多様体上の調和解析とラドン変換および逆問題解析への応用
Project/Area Number |
16540136
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
筧 知之 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (70231248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平良 和昭 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (90016163)
竹内 潔 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (70281160)
木下 保 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (90301077)
守屋 克洋 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助手 (50322011)
照井 章 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助手 (80323260)
|
Keywords | ラドン変換 / サポート定理 / 像の特徴付け / パフィアン / グラスマン多様体 |
Research Abstract |
本研究において、以下のことを研究した。(A)アファイングラスマン多様体上のラドン変換に対するサポート定理。(B)マトリックスラドン変換の像の特徴付け。なお、これら(A),(B)はアメリカ合衆国タフツ大学のゴンザレス教授との共同研究によるものである。以下に詳しい内容を述べる。 (A)について。R^n上のp次元平面全体のつくるアファイングラスマン多様体をG(p,n)と表すことにする。p<qを仮定し、更にdim G(p,n)≦dim G(q,n)を仮定する。Rによって、G(p,n)上の関数をG(q,n)上の関数に移すラドン変換を表すものとする。Incidence relationは包含関係で与えるものとする。このとき、RはG(p,n)上のコンパクト台を持つ滑らかな関数を、G(q,n)上のコンパクト台を持つ滑らかな関数に移す。この設定の下で、Rの像がコンパクト台を持つならば、原像もコンパクト台を持つこと(サポート定理)を示した。また、同時に、dim G(p,n)=dim G(q,n)の場合に、一般化されたモーメント条件によってラドン変換の像が特徴付けられることも示した。これらの結果は、以前にゴンザレス教授と共同で示したラドン変換の像の微分方程式による特徴付けに関する結果と合わせて、アファイングラスマン多様体上のラドン変換に関して懸案となっていた一連の問題を完全に解決するものである。そして、これらの結果は、ジョン、ヘルガソン、ゲルファント等の研究の一般化にもなっている。 次に(B)について述べる。アファイングラスマン多様体G(p,n)にはR^n上の合同変換群M(n)が作用し、ラドン変換はM(n)同変な写像となっている。この設定の一般化として、コンパクト対称空間のカルタン分解に付随するカルタン運動群というリー群があり、カルタン運動群の作用する等質空間上のラドン変換を考えることが出来る。マトリックスラドン変換とは、こうした一般化されたラドン変換の一種であり、本研究では、このラドン変換に対して像の特徴付けの問題を考察し、パフィアン型微分作用素を一般化かつ高階化した不変微分作用素により特徴付けられることを示した。関連することであるが、この研究成果は、筑波大学で開催された国際研究集会「Integral Geometry and Harmonic Analysis」において共同研究者のゴンザレス教授が発表している。
|
Research Products
(2 results)