2006 Fiscal Year Annual Research Report
関数方程式の定性的理論に対する相平面解析的アプローチ
Project/Area Number |
16540152
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
杉江 実郎 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40196720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古用 哲夫 島根大学・総合理工学部 (40039128)
古用 哲夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40039128)
町原 秀二 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (20346373)
松永 秀章 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40332960)
山岡 直人 上智大学, 理工学部, 助手 (90433789)
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Keywords | リエナール方程式系 / 振動性 / 大域的漸近安定性 / p・ラプラシアン / 半分線形微分方程式 / ホモクリニック軌道 / 極限閉軌道 / 被食者・捕食者モデル |
Research Abstract |
1.1次元p-ラプラシアンをもつ非線形微分方程式のすべての解が振動しないための十分条件を与えた。対象とする 微分方程式を同値変換し,その方程式系に対する相平面解析を用いて,この結果を証明した。また,これは昨年度に得られた結果と互いに補完し合い,それぞれがある意味で最良の結果であることを示した。 2.被食者成長率が滑らかではないガウゼ型捕食者・被食者系(生態系モデル)を扱った。この捕食者・被食者系はアリー効果を考慮したモデルである。この生態系モデルにホモクリニック軌道が存在するための必要十分条件を与えた。ホモクリニック軌道に及ぼすアリー効果の影響が明らかになった。 3.オイラー型線形微分方程式はある種の多重構造をもっていることが知られている。その事実を利用して,オイラー型非線形微分方程式に対する振動定理および非振動定理を与えた。これらは従来の結果を改良するものである。 4.1次元p-ラプラシアンをもつリエナール型方程式系が少なくとも1つの極限閉軌道をもつための十分条件を与えた。この結果を得るために,ボアンカレーベンディクソンの定理とともに相平面解析を用いた。また,この方程式系の零解が不安定になるための十分条件やすべての解が有界になるための十分条件も求めた。 5.非白励な半分線形微分方程式の解の漸近挙動について研究した。特に,零解が大域的漸近安定であるという仮定の下で,各解がどのように零に収束するのかに焦点を当て論じた。また,零解が大域的漸近安定になるための十分条件を与えた。 6.零に収束する係数をもつ非線形微分方程式のすべての解が振動しないための判定基準を与えた。その基準によって,係数の収束速度と非線形項の増大率との関係が明確になった。また,この結果はエムデンーファラー方程式に関して既に報告されていた非振動定理の多くを拡張した。 7.2つの係数をもつ半分線形微分方程式を扱い,それら係数によって描かれる曲線の位置によって,すべての解が振動するか否かを判定する条件を与えた。得られた結果は係数に関する積分条件で表現しないことが従来の研究と大きく異なる点である。
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Research Products
(7 results)