2006 Fiscal Year Annual Research Report
確率モデルのスケーリング極限の観点から見た対称群の表現の漸近理論の研究
Project/Area Number |
16540154
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
洞 彰人 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10212200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40192794)
村井 浄信 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 助手 (00294447)
|
Keywords | 確率モデル / 対称群 / 表現の漸近理論 / ランダムヤング図形 / 量子確率論 / 因子表現の指標 |
Research Abstract |
先の2年間の当該研究において、リトルウッド・リチャードソン係数など、対称群の表現の既約分解から生じるものを始めとして、ヤング図形から成るさまざまな統計集団(アンサンブル)を扱ってきた。その過程で、エルゴード理論的なアイデアや対称関数の方法とのかかわりを通して、無限対称群およびそれとの環積群上の調和解析に発展する道を見出してきた。最終年度である本年は、ランダムヤング図形の議論をさらに深めるとともに、漸近理論とつながるこのような巨大な群の表現論、調和解析に力を注いだ。,また、本研究の底流にある量子確率論のアイデアおよび関連するグラフのスペクトルの漸近解析についても、成果がまとまりつつある。具体的には、次のような研究成果を発表した。 1.研究協力者である平井武氏、および平井悦子氏との共同研究により、コンパクト群の無限対称群との環積の指標を行列要素として表す良い因子表現を構成した。この表現は、一般的なゲルファント・ライコフ表現の枠組を超えて、指標を特徴づけるパラメータの性質が直接反映されるものになっている。 2.ユツィス・マーフィー元のモーメントの組合せ論的な特性を深く追究し、多くの種類のランダムヤング図形における集中現象を統一的に理解する見方を得た。それは、ある種のヤンググラフ上のランダムウォークの性質に多くが帰着される。ここでも量子確率論の手法を積極的に活用した。 このような成果は、国内外での研究集会、セミナー、講演会などの場で発表した。
|
Research Products
(2 results)