2005 Fiscal Year Annual Research Report
生命科学及び医学領域に現れる或る非線形偏微分方程式の解の性質の研究
Project/Area Number |
16540176
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
久保 明達 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (60170023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅沢 栄三 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (50318359)
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Keywords | Othmer-Stevens model / Anderson-Chaplain model / uptake case / モデルの共通性 / 進行波 / 腫瘍の血管新生 / strong dissipation / degenerate hyperbolic |
Research Abstract |
1.5月海外より生物・医学分野の2人(フランス、フィンランド)国内より1人(進行波について)研究者を招いて小規模の研究会を開催した。各自研究のサーベイと成果を確認、これに基づいてその後も随時連絡をとり研究上の寄与と、新たな研究協力の計画が進行している。一つは単純化した方程式(Levine and Sleemanによる)についての爆発解の研究、もう一つは進行波の存在についてである。 2.昨年度成功したAnderson-Chaplain modelの単独方程式化の研究をさらに推し進め、解の存在と性質について厳密な証明を与え、より一般化することができた。またこのことにより、Othmer-Stevens modelとの数学的構造の関連性についても解明することができた。Othmer-Stevens modelにuptake caseを導入し、単独方程式化したときuptakeの場合がAnderson-Chaplain modelと同じ方程式の範疇(strong dissipation付き退化双曲型)に入ることが証明され、ここにおいてOthmer-StevensとAnderson-Chaplain両モデルが関連していることがわかり、同じ血管新生についての数学モデルとしてそれぞれの研究背景を基に独立に提唱された2モデルが共通する数学的構造を有していることが証明されたといえる。また、この共通点において腫瘍の血管新生の本質的な数学的構造が存在するものと思われる。 3.申請者は11月単純化したOthmer-Stevens modelにおける進行波の存在について専門家を招き、その分野のサーベイと専門知識の提供をうけた。12月国内の関連した生物・数学の研究者達を招き第6回医学数学シンポジウムを開いた。 4.Othmer-Stevens modelのuptake caseの数値シュミレーションを行い、2.で述べた解の時間大域的漸近挙動について明確化と、詳細について示唆を与えることができた。 5.7月スペイン・アリカンテで開催された「第6回ヨーロッパ数理・理論生物学学会」に参加して研究成果を発表した。また、本年1月に台湾で開かれた「Workshop on tumor growth」でHans OthmerとMark Chaplain列席のもと、成果発表をおこない彼らと大変有益な議論をすることができた。彼らとの継続的な情報交換ができる基盤ができ、特にM.Chaplain氏とは日本招聘の予定である。
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