2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540190
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 正己 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80232362)
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Keywords | Poisson boundary / quantum groups / von Neumann algebras / C^*-algebras / quantum probability |
Research Abstract |
ヒルベルト空間の有界作用素からなる環で共役演算と弱作用素位相について閉じたものをフォンノイマン環と言い、フォンノイマン環でその中心がスカラー作用素のみからなるものを因子環と言う。コンパクト群の因子環への作用で、不動点環の相対可換子環がスカラーのみからなるものを極小作用と言う。極小作用はコンパクト群の作用の中でも最も良い性質を持つものであり、リー群の無限テンソル積作用はその典型例である。しかしながら、コンパクト量子群の無限テンソル積作用は極小的になるとは限らず、その不動点環の相対可換子環は双対量子群の非可換ポワッソン境界と同型であることが、当研究者の以前の研究で示された。さらに量子群SUq(2)の場合には、非可換ポワッソン境界が量子等質空間SUq(2)/Tと同一視されることも示されている。 オスロ大学のS.NeshveyevとL.Tusetとの共同研究で、一般のnに対して量子群SUq(n)の双対の非可換ポワソン境界が量子旗多様対SUq(n)/T^<n-1>であることを示した。その証明は、当研究者が以前の研究でに導入した非可換ポワッソン積分が、ベレジン量子化に現れる写像に酷似していることを利用し、最終的には量子帯球函数の空間へのマルコフ作用素の解析を行うというものである。この方法は、他の古典群の量子変形の場合にも適用可能であると期待される。 ピムスナー環のゲージ作用のKMS状態の研究はNeshveyev-Lacaにより行われており、その構造は完全に理解されている。KMS状態から決まるフォンノイマン環のflow of weightsを、あるマルコフ作用素のポワッソン境界として完全に記述する方法を得た。
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Research Products
(2 results)