2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540190
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 正己 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80232362)
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Keywords | 作用素環 / フォンノイマン環 / 双曲群 / KMS状態 |
Research Abstract |
Sergey Neshveyevと岡安類と共同で、双曲群上のランダムウォークの調和測度の比集合を決定した。一般に、離散群上のランダムウォークに対してPoisson境界と呼ばれる測度空間と調和測度と呼ばれる確率測度が定まり、元の離散群はPoisson境界上に非特異変換群として作用する。この変換群は調和測度と同値な不変測度を持たないことがKaimanovichにより示されており、いわゆるIII型変換群となる。III型変換群に対しては、比集合という不変量がKriegerにより導入されたが、人工的に構成されたモデル以外のものに対して比集合を計算するのはあまり簡単ではない。しかし双曲群の場合、Poisson境界とGromov境界が一致することがAnconaにより示されており、調和測度が良い性質を持つことが期待できる。我々は、調和測度がGibbs測度的な性質を持つことを示して、比集合の具体的記述に成功した。双曲元の境界での固定点でのRadon-Nikodym微分の値により比集合は生成される。結果として、双曲群の場合、調和測度はIII0型にはならないことを示した。 梶原毅と綿谷安男と共同で、複素力学系や自己相似集合から構成されるCuntz-Pimsner環のゲージ群のKMS状態を完全に決定し、さらにKMS状態から構成される因子環の型を完全に決定した。一般に、Cuntz-Pimsner環のゲージ群のKMS状態はPerron-Frobenius型作用素で記述されることがNeshveyev-Laceにより示されている。我々は上記の場合にこのPerron-Frobenius作用素の具体的記述を行い、KMS状態の決定に成功した。結果として、ほとんどの温度パラメーターに対してKMS状態はI型であり、パラメータが臨界的な値のときにIII型のKMS状態が現れることがわかった。
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Research Products
(2 results)