2004 Fiscal Year Annual Research Report
非局所的なソリトン方程式の零分散極限での解の漸近挙動に関する研究
Project/Area Number |
16540196
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松野 好雅 山口大学, 工学部, 教授 (30190490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 哲 山口大学, 工学部, 教授 (00131376)
柳 研二郎 山口大学, 工学部, 教授 (90108267)
栗山 憲 山口大学, 工学部, 教授 (10116717)
岡田 真理 山口大学, 工学部, 助教授 (40201389)
増本 誠 山口大学, 理学部, 助教授 (50173761)
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Keywords | ソリトン / 非線形波動方程式 / 零分散極限 / 逆散乱法 / Benjamin-Ono方程式 |
Research Abstract |
非局所的ソリトン方程式の典型例であるBenjamin-Ono方程式や、非局所的非線形Schrodinger方程式に関して以下の成果を得た。 1.Benjamin-Ono方程式の周期解やソリトン解の新しい表式 Benjamin-Ono方程式は深い成層流体中を伝播する内部波の時間発展を記述する発展方程式であるが、ヒルベルト変換で表される非局所的な分散項を有する。このため、KdV方程式に代表される純粋な非線形微分方程式とは異なる解の構造を有する。特にソリトン解は有理関数で表され、本研究のテーマである解の零分散極限の操作は単純には実行できない。ここではソリトン解や周期解が満たす新しい方程式系や解の表式を導いた。逆散乱法によって得られる解の方程式系が線形代数方程式であるのに対し、ここで得た方程式は非線形代数方程式という特徴がある。周期解やソリトン解の新たな表式の内、特に前者はKdV方程式の周期解に関し、Dubrobinが導いた式に対応している。ここで得た方程式や解に対する知見を基に、これらの零分散極限の研究は現在進行中である。 2.非局所的非線形Schrodinger方程式の初期値問題 上記方程式は深い成層流体中を伝播する単色内部波の非線形変調を記述する非局所的ソリトン方程式であるが、これの研究は比較的最近行われるようになった。本研究ではこの方程式の初期値問題を逆散乱法によって解析した。具体的には対応するLax対の順散乱、及び逆散乱問題の詳細な研究を通して、Jost関数に対する閉じた積分方程式系を導出し、同時にJost関数の直交性や完全性も証明した。さらに無限個の保存則や、これらの散乱データによる表式を導いた。また、固有値問題が厳密に解けるポテンシャルの例をを2つ示し、対応する固有値や固有関数を陽に求めた。
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Research Products
(6 results)