2004 Fiscal Year Annual Research Report
中間赤外線高分散冷却エシェル分光器を用いた晩期型星周辺大気のラインサーベイ観測
Project/Area Number |
16540214
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平原 靖大 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (30252224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 建太郎 岡山大学, 理学部, 教授 (40158861)
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Keywords | 星間分子 / 振動回転スペクトル / 晩期型星周辺大気 / エシェル分光器 / イマージョングレーティング / 高分散分光 |
Research Abstract |
高分散冷却エシェルグレーティング分光器ProtoIRHSの製作と光学調整、真空排気系や冷却系の整備および望遠鏡とのインターフェースの設計・製作を行い、この分光器を完成させた。分光光学系の製作とエシェルフォーマットの撮像のためのSi:As IBC512×412素子2次元アレイ検出器の動作確認に成功した。炭酸ガスレーザーの波長10.6μm単色光を用い、ProtoIRHSの波長分解能λ/Δλ=46,000と測定し、世界初のGe単結晶イマージョングレーティングが当初目標をほぼ満たす性能を有していることを確認した。次に、望遠鏡に搭載し天体観測を行う際に必要な前置光学系の製作と光学調整、撮像用のInSb 256×256素子2次元アレイ検出器の設置と動作試験を行い、試験光源による結像性能および検出器雑音において良好な結果を得た。また、光入射窓や電気制御系からの熱放射の侵入を抑えるための冷却フィールドストップの製作や、断熱シールドの設置、迷光対策のためのバッフルの設置を行った。その結果、ProtoIRHSの真空排気開始後、冷却完了、観測開始までのセットアップ時間を4日程度に短縮することができた。 ProtoIRHSを用い、晩期型星周辺大気に存在する星間分子の振動回転スペクトルのラインサーベイ観測を行うため、2005年2月に国立天文台三鷹1.5m望遠鏡のナスミス焦点台に設置した。本望遠鏡は国立天文台ハワイ観測所のすばる8.2m望遠鏡と同一のF比12.5を有しており、ナスミス焦点を観測装置内のフィールドストップに結像させるための小型リレー光学系を設計・製作した。これによりProtoIRHSによる初観測が可能となった。2005年3月から来年度初旬にかけて本格的な試験観測を行う。
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Research Products
(1 results)