2004 Fiscal Year Annual Research Report
太陽および宇宙プラズマにおける磁気ヘリシティのダイナミクスに関する研究
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16540216
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
草野 完也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, グループリーダー (70183796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 降博 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60335700)
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Keywords | 磁気ヘリシティ / 電磁流体力学 / 太陽コロナ / シグモイド / ダイナモ / 地磁気反転 / HLLD法 / シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は以下の3つの課題に関して研究を行った。 (1)回転球殻ダイナモの反転機構のシミュレーション研究:地磁気の反転を説明するために、回転球殻熱対流ダイナモのシミュレーションを実施すると共に、その結果を赤道対称性に注目して解析することにより、双極子磁場を生成するダイナモ過程が経度方向のフーリエモード結合を通して赤道面対称性を壊すモードに対して線形に不安定化することを始めて明らかにした。この結果は、地磁気反転が対称性崩壊型の不安定モードの成長の結果として理解できることを示唆している。 (2)太陽コロナにおける磁気ヘリシティの消滅・放出過程の解明:太陽表面磁場観測データと太陽コロナの軟X線観測データとの相関を統計的に処理することにより、コロナへの磁気ヘリシティ入射とX線放射強度の間に明確な相関があることを初めて明らかにした。さらに、コロナ磁場のシア反転がX線の活動効率を高めることを解明した。また、入射磁気ヘリシティとコロナ中のシグモイド構造に関係があることを観測データ解析により明確に示すと共に、シグモイドの形成がテアリング不安定性を通した電磁流体力学的自己組織化として説明できることを数値シミュレーションによって解明した。 (3)電磁流体方程式の新しい数値スキームの開発: Harten-Lax-van Leer(HLL)近似によるリーマンソルバーを複数状態に適合するよう改良することにより、HLLD法と呼ばれる理想MHD方程式の新しい数値解法を開発した。この方法は密度および圧力の正値性を保障すると共に、線形リーマンソルバー同様に高精度であるのみならずより高効率であることから、今後の電磁流体数値計算の強力なツールとなると考えられる。
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[Journal Article] Magnetic Helicity Injection and Sigmoidal Coronal Loops2005
Author(s)
Yamamoto, T., T., Kusano, K., Maeshiro, T., Yokoyama, T., Sakurai, T.
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Journal Title
The Astrophysical Journal 625(印刷中)
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