2006 Fiscal Year Annual Research Report
銀河団における相対論的スニャエフ・ゼルドビッチ効果の研究
Project/Area Number |
16540220
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
伊藤 直紀 上智大学, 理工学部, 教授 (20103939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 智 城西短期大学, ビジネス総合学科, 教授 (00258914)
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Keywords | 宇宙背景放射 / 銀河団 / 宇宙論 / 相対性理論 / 宇宙プラズマ / コンプトン散乱 / ダークマター / ハップル定数 |
Research Abstract |
本年度は運動学的Sunyaev-Zeldovich効果の計算を高次の項まで精密計算した。研究成果は、イタリア物理学会の機関誌であるNuovo Cimentoにすでに発表されている。この論文において、われわれは、1998年にわれわれがAstrophysical Journalに発表した運動学的Sunyaev-Zeldvoich効果の計算の次数よりもさらに2次だけ高次の項まで解析的計算を行った。解析的計算に加えて、われわれは、Boltzmann衝突項の厳密数値計算を行い、解析的計算が0.01パーセント以上の高い精度を持っていることを確認した。このわれわれの論文は、この分野における決定版的な論文であり、この分野はわれわれの論文によりほぼ完成されたということができよう。近年Sunyaev-Zeldovich効果のサーベイ観測がスタートしており、われわれの論文はそれらの観測的研究の基礎となるであろう。 以上の論文発表のほかに、本年度は、本科研費により、多くの海外の大学や研究所において研究発表を行った。4月には、ローマ大学物理学科、イタリア国立ローマ天文台、イタリア国立フィレンツェ天文台を訪問して、講演と討論を行った。ローマ大学では、De Petris博士、ローマ天文台ではColafrancesco博士と非常に有意義な討論を行うことができた。5月には、米国のThomas Jefferson研究所とテキサス大学Austin校の天文学科を訪れて講演と討論を行った。8月と9月にはケンブリッジ大学Cavendish研究所、フランクフルト大学物理学科、DarmstadtのGesellschaft fuer Schwerionenforschungを訪れて、講演と有意義な討論を行った。
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Research Products
(1 results)