2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540231
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤川 和男 日本大学, 理工学部, 教授 (30013436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲 滋文 日本大学, 理工学部, 教授 (60120515)
出口 真一 日本大学, 理工学部, 教授 (50207502)
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Keywords | 位相 / トポロジー / 量子異常 / 断熱近似 / 非可換時空 / ゲージ対称性 |
Research Abstract |
藤川はまずフェルミ粒子に関しては、ニュートリノの小さな質量についての一般的な考察を行った。とくに、ニュートリノの非常に小さい質量とフェルミ場のシフト対称性の関連を研究し、超対称性との関連も指摘した。ついで、藤川は出口と共同して、幾何学的な位相と呼ばれるものを場の理論的な手法を用いて定式化した。この手法は演算子形式でも経路積分の手法でも、両方の定式化で幾何学的な位相が明確に扱えることを示しており、今後の応用において有用と期待される。この定式化を用いて、幾何学的な位相のトポロジカルな性質に関して興味のある結果を得た。ここで指摘された隠れたゲージ対称性のより詳細な考察を藤川は行い、断熱的および非断熱的な幾何学的な位相に関する一般的な性質を解明した。さらに藤川は、量子異常と幾何学的な位相の基本的な差異を解明し、過去における誤った認識を正し、今後の研究の基礎を与えた。 一方、仲は代数関係の変形の研究を続け量子ホール効果のこれまでの定式化とは異なる見方を提供し、実際の現象の記述への応用を議論した。また動的なカシミール効果の考察も行った。 出口は、これまでのQCDの真空状態の考察を続け、BRST対称性を指針として安定なかつ非自明なQCDの存在に関する研究を行った。また、出口はインドのボース研究所のBanerjee氏と共同で、球面上のゲージ場理論の量子化の考察を行い、興味ある結果を得て論文を公表した。 一方、研究員の中島は、これまでの超弦理論との関連で非可換非アーベル的なゲージ場理論の研究を進め、グルーボールの質量に関する興味ある結果を得て、発表した。
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Research Products
(6 results)