2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540242
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
|
Keywords | 太陽中性子24時間観測網 / 赤道付近高山 / 粒子加速 / シェラネグラ / チャカルタヤ / データ収集自動立ち上げ化 / 太陽フレア / 2005年9月7日 |
Research Abstract |
平成17年度は、(1)ボリビアにおける太陽中性子データ取得の安定化、(2)メキシコにおけるデータ収集システムの改良・低消費電力化を行った。平成16年度にlinux PCを用いたCAMACでのデータ収集システムをボリビアに導入し、全く同じシステムをメキシコに送ったが、メキシコ側からデータ収集システムの改良を要求されていた。具体的には停電後にパソコンが復帰した際にデータ収集プログラムが自動的に立ち上がるようにしてほしい、ということであった。メキシコの大学から観測地シェラネグラ山(高度4,600m)までは車で3時間以上もかかるからである。平成17年度の前半に学生の協力を得て、自動立ち上げシステムを開発した。その結果を踏まえ、平成18年2月に松原がメキシコに行き、自動立ち上げシステムを現地PCに導入した。シェラネグラでの試験はできなかったが、3月10日にメキシコ側から連絡があり、データ収集システムの観測所での導入に成功したとのことであった。さらには、現地研究者らの努力により、大学と観測所の間を無線でつなぐことに成功し、山まで登らずともデータを見れることになった。メキシコの後ボリビアに渡り、チャカルタヤ山(高度5,250m)のデータ取得システムも最新の自動立ち上げのものに置き換えた。24時間太陽中性子観測網の中で観測条件が一、二番によい両観測所の整備はこれから始まる第24太陽活動期に向けて重要なことであった。 また、平成17年8月にインドで開かれた宇宙線国際会議ではこれまでの太陽中性子研究の成果を発表した。その後、9月7日の大規模太陽フレアの際には、ボリビアとメキシコにある我々の太陽中性子検出器、及び中性子モニターの計4台の検出器で太陽中性子が観測された。太陽が、ボリビアとメキシコの中間にあったためもあるが、このイベントはこれまで観測された中では最もきれいな太陽中性子イベントで、現在論文として投稿中である。
|
Research Products
(6 results)