2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540243
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野木 哲也 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (70211802)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 邦彦 京都大学, 基礎物理学研究所, 協力研究員 (00034611)
橋本 省二 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (90280510)
松古 栄夫 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助手 (10373185)
|
Keywords | 非等方格子 / 格子QCD / 重いクォーク / 小林益川行列 |
Research Abstract |
格子上のHQET 根岸俊輔、松古英夫との共同研究 ボトムクォークはコンプトン波長(4GeV^{-1})が典型的な格子間隔($2GeV^{-1}$)にくらべ短すぎるため、格子上の記述が困難であるが、重いクォークを質量の逆べき展開で系統的に記述するHeavy Quark Effective Theory (HQET)の格子版である格子HQETは格子上で質量の逆べき展開の次数を上げていくことで誤差を完全にコントロールしながらボトムクォークを記述できる最も有望な定式化であることが知られている。この定式化は非等方格子の非摂動的マッチングのためのStatic極限での基準値を与えるという点で重要である。われわれは格子HQETもちいてクェンチ近似でstatic極限でのB中間子のπ結合を決定した。格子HQETの最大の困難は統計誤差が大きいことであるが、all-to-allプロパーゲーター法を用いて相関関数の時間空間平均を効率的にとることによりわずか32個のゲージ配位の平均をもとに3%の精度でのB*Bπ結合を得た。これは、今後のfull QCDへの拡張やその他の遷移行列への応用にも使える非常に有益な結果である。またB^*Bπ結合は小林益川行列要素|Vub|の決定に必要なB中間子の準レプトニック崩壊B→π1v崩壊の形状因子とソフトパイオン定理で結びついており、full QCDの結果がでた暁には|Vub|の決定が可能となる。 寺崎は、B factory実験で発見されたDs0粒子に対し、自身が独自に提唱する4体クォークの束縛状態としての解釈に基づき生成機構についての考察を行った。
|
Research Products
(2 results)