2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブラックホール摂動法とポストニュートニアン近似による重力波の研究
Project/Area Number |
16540251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田越 秀行 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (30311765)
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Keywords | 一般相対論 / 重力波 / ブラックホール / 重力波検出器 / 中性子星 / 宇宙物理学 |
Research Abstract |
カーブラックホールの線形摂動の基本方程式である,Teukolsky方程式の高精度計算コードの改良をまず行った.次にそのコードを用いて,星がカーブラックホール周りの赤道面上を円運動しながら重力波を放出して次第にブラックホールへな落下していく状況について,発生する重力波のエネルギースペクトラムと波形,そして重力波による運動量放射の反跳効果によってブラックホールが受ける反跳速度を調べた.その結果,星の円軌道の時期,落下運動の時期,最終的に励起されるブラックホールめ準固有振動期の3つの時期を全て含んだ重力波の波形とエネルギースペクトラムを計算することができた.これまでの軌道進化を含む研究では主にポストニュートニアン近似などを用いて行われており,ブラックホール摂動論により計算したのは初めてのことである.また,地上におけるレーザー干渉計重力波検出器の主要なターゲットである,合体するコンパクト連星について,主要な2つのデータ解析法である,コインシデント解析法とコヒーレント解析法について,同じ場所で同じ方向を向いている2台の検出器による信号検出能力の差を2台の検出器のノイズに相関がある場合について,定式化を行った.その結果,以前のコヒーレント解析の定式化は最適ではないことが分かった.新しい定式化によると,コヒーレント解析の検出能力はより向上する事が分かった.また,コヒーレント解析の方がコインシデンス解析より優れているという以前の結果には変わりはなく,新しい定式化でもコヒーレント解析の方が優れているということが分かった.
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Research Products
(2 results)