2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペンタクォークバリオンの構造と生成に関する理論研究
Project/Area Number |
16540252
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (10259872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 博 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (70163962)
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Keywords | シータ粒子 / エキゾチックバリオン / 光生成生 / マルチクォーク状態 / ストレンジネス |
Research Abstract |
(1)エキゾチック粒子の生成反応機構 Θの存在を示唆する実験結果とそうでない結果との違いを理解するためには、生成機構によってどのような条件のもとで何が観測できるかを明らかにする必要がある。有効ラグランジアンの方法によって生成過程を分類し、それらがどのような観測によって特定されうるかを明らかにした。光子の偏極とその方向からのφ角度分布、θ角度分布を見ることによって、生成過程に応じた特徴を知りうることを明らかにした。また、偏極標的と角度分布を組み合わせて、Θのスピンに制限を与えることを明らかにした。 (2)S波カイラル理論によるエキゾチック粒子 低エネルギーハドロンの性質を支配するカイラル対称性に基づいて、中間子とバリオンの相互作用をかなり一般的に記述することができる。その相互作用のもとで束縛状態が出来得ることに着目し、エキゾチックな量子数を持った束縛状態の存在可能性について議論した。エキゾチック数を定義し、それにより状態を分類した。その結果、多くのエキゾチックチャンネルで、カイラル相互作用は斥力か弱い引力にしかならず、束縛状態を作ることは困難であることを示した。それにより、JP=1/2-のエキゾチックバリオンをカイラル理論で構成することは難しいことになる。この議論を任意のカラー数Ncの場合に拡張した。 (3)テトラクォークの性質 ペンタクォークの他にエキゾチック粒子の候補として、テトラクォーク中間子の性質をQCD和則によって調べた。その結果、軽いスカラー中間子sigma, a0, f0, kappaなどが、4つのクォークからで来ている可能性が高いことを示した。クォーク模型を用いて崩壊幅の評価も行った。その結果もやはり、幅の広いsigmaを再現するにはテトラクォークの構造が重であることを示した。
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Research Products
(13 results)