2005 Fiscal Year Annual Research Report
LHCにおけるハードプロセスの系統的研究:標準模型の予言精度とその限界
Project/Area Number |
16540255
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
小平 治郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40127080)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和廣 順天堂大学, 医学部, 講師 (70263671)
|
Keywords | 量子色力学 / 摂動論 / 輻射補正 / 高エネルギー実験 / LHC / RHIC |
Research Abstract |
標準模型の予言精度の向上は、2007年のLHC実験の開始を控え、最重要課題となっている。摂動論的QCDの手法を用いることにより、高エネルギー散乱過程におけるQCD効果は評価されるが、摂動展開によるスキーム依存性、位相空間の端で生ずる摂動展開の破綻などの問題は依然として解決されていないのが現状である。 本研究では、研究実施計画に基づき、軟グルオン足し上げの問題に関し、その理論的枠組みおよびその数値的計算方法の見直しを昨年に引き続き行なった。具体的に取り上げた過程はRHICでのハドロン散乱におけるDrell-Yan過程である。LHC過程ではなく、RHIC過程を選んだのは、非摂動的効果の寄与に関し調べるためであった。(参考論文1,2)非摂動的効果はLHCエネルギー領域では非常に小さいが、RHIC領域ではかなり大きいことが分かり、その理論的理由も明らかになった。(詳細を記述した本論文は、現在準備中である)。重いクォークを含むハドロン生成、崩壊に関しては、未だ多くの基本的問題(理論的諸問題)が残されている。そこで、昨年度に引き続き、B中間子の構造関数に現れる非摂動的関数の分類を行った。(参考論文3)。QCDの輻射補正は来年度の課題である。 将来のLHC実験との関連で、何が出来るかは、来年度の課題として残ったが、理論的に基本的な問題の幾つかは明らかにできた。
|
Research Products
(3 results)