2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540260
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
安田 修 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助教授 (50183116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南方 久和 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 教授 (00112475)
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Keywords | ニュートリノ振動 / フレーバー混合 / ニュートリノ質量 / CP非保存 / パラメーター縮退 / 原子炉ニュートリノ / 長基線ニュートリノ実験 / KASKA実験 |
Research Abstract |
今年度前半は、前年度から行っていた原子炉ニュートリノのエネルギースペクトル解析によるθ_<13>の測定に関する現象論的研究を最終的な形にして論文にまとめた。スペクトル解析では、ビンの数が16程度のとき、sin^22θ_<13>の感度の最適値は3.8σ(db)となる。ここでσ(db)はエネルギービン同士間の測定器固有の系統誤差で、同様な手法で昔行われたBugey実験では0.5%程度であった。又、感度はビンの数の1/2乗に反比例するのでビンの数を増やせば増やすほど感度が向上するように一見思われるが、エネルギー分解能が有限であるため、統計が十分大きい場合には結局最終的にエネルギー分解能がsin^22θ_<13>の感度に効いてくることが定性的には理解されている。その定量的議論については現在研究中である。 年度の後半は、9月から開始された「ニュートリノファクトリーとスーパービームに関する国際調査検討会議」に関連したテーマについて主に研究した。研究代表者が世話人を引き受けている物理学部会の現象論小部会では、将来の大強度加速器による長基線実験で、新しい物理によるフレーバー非保存の相互作用の存在や、未知の種類のニュートリノの存在によるユニタリー性の破れを探るためにどれだけの振動確率の精度が要求されるか、という問題意識が高まってきている。具体的にはフレーバー非保存の相互作用が実験的上限値いっぱいの値を持って存在したとする時、将来の長基線実験でどのチャンネルにどの程度の大きさの寄与が出るか、を模型に依存しない形式で議論をした。その最終的結論は今現在得られつつある所で、近い将来論文に発表する予定である。又、この議論の過程で、木村らによる、標準的な物質中の3世代ニュートリノの振動確率に関する解析的結果を新物理がある場合に拡張し、見通しの良い方法で振動確率の近似式を求めることに成功した。
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Research Products
(8 results)