2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540261
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
山本 安夫 都留文科大学, 文学部, 教授 (80124866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元場 俊雄 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (90121863)
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Keywords | ハイパー核 / ハイペロン / ストレンジネス / G行列理論 / 有効相互作用 / クラスター模型 |
Research Abstract |
我々の研究課題は、Nijmegen groupにより開発されてきたYN・YY相互作用模型に立脚し、G行列理論を用いて導かれるYN・YY有効相互作用を用いてハイペロンを含む多体系の構造に現れる相互作用の特徴を調べることである。平成17年度の研究による成果は以下の通りである。 1.Extended Soft Core(ESC) modelの特徴の分析 ESC modelは、Nijmegen大学のRijken教授によって提唱され、我々との共同研究を通じて完成した新しいYN・YY相互作用模型であり、従来のOBE modelsを超える優れた特徴を有している。我々のハイペロン多体系構造計算を通じて明らかになったその特徴は以下の通りである。偶状態におけるΛN引力及びそのspin-spin成分の強さはΛハイパー核のデータと良く整合する。また、奇状態成分は弱い引力で実験的示唆と合っている。結果的に核物質中でのΛ一体ポテンシャルは実験値(30MeV)よりかなり深くなる。この問題点は適度の強さの3体斥力的効果(媒質中でのmeson massの変化)を現象論的に導入することによって解決された。ESCの顕著な特徴はS=-2状態に現れる。ESCのΛΛ成分は、唯一の信頼できるデータである_<ΛΛ>He^6におけるΛΛ結合エネルギーを良く再現するが、ΞN成分の混合は従来のOBE相互作用模型よりはるかに強い。そして、ESCに関する最も重要な結果は、特徴あるΞハイパー核状態の存在を予言していることである。 2.ΛNスピン依存項の分析 近年、Λハイパー核のγ線分光実験によって、spin-doublet状態の分離エネルギーが系統的に測定されてきた。これらの精密なデータは、ΛN相互作用のスピン依存項に関する重要な情報を与えるものである。我々は、最近の観測で得られた_ΛLi^7における1/2+-3/2+および5/2+-7/2+の二っのspin-doublet状態に対して、_ΛH^4における0+-1+spin-doublet状態、及び_ΛBe^9における5/2+-3/2+spin-doublet状態と関連づけた理論解析を行った。4体クラスター模型に基づく計算の結果、これらのspin-doublet状態のデータよりΛN相互作用のspin-spin項とspin-orbit項がコンシステントに決められることが示された。
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Research Products
(4 results)