2005 Fiscal Year Annual Research Report
高次元重力理論における位相欠陥の重力崩壊とその安定性に関する理論的研究
Project/Area Number |
16540264
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中尾 憲一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90263061)
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Keywords | 高次元重力理論 / ブレーンワールド・シナリオ / 宇宙論 / 位相欠陥 / 重力崩壊 |
Research Abstract |
本研究課題に直接関係する高次元時空の問題は3つ、間接的に関係のある4次元時空のにおける重力崩壊に関する2つの問題に取り組んだ。1つめはブレーンワールド・シナリオにおけるコズミック・ストリングの重力崩壊である。タイプIのコズミック・ストリングは合体し線密度の大きなストリングになりうる。そこで、ブレーンワールドの宇宙論な状況でこの合体がどの程度発生するかの評価を行い、重力崩壊してブラックストリングになるほど大きな線密度になりうるモデルパラメターの範囲を特定した。2つめは5次元一般相対論における地平線形成の必要十分条件に関するハイパーフープ予想の研究である。相対論的初期条件を設定し、4次元的回転楕円体状に分布した質量が地平線を形成するための必要充分条件を数値的に明らかにした。そして宇宙検閲仮説が成り立たなくなる可能性を示す結果を得た。3つめはブレーンワールドにおいて、特異点がブレーン上に存在するブラックストリングの静的な解を数値的に求めるための定式化である。本研究課題に間接的に関係のある研究としては、実験室でできたモノポールが重力崩壊してブラックホールになったとき、ブラックホール内部でインフレーション宇宙が形成されるのかどうかに関する研究を行い、古典的な可能性と量子論的な可能性を考察した。そして、4次元一般相対論のもとで、モノポールのモデルによってはインフレーションが起こりうることを示した。また、円筒状に分布するダストの重力崩壊についての研究も行い、裸の特異点を数値的に構築することに成功した。この問題は5次元時空におけるドメインウォールの重力崩壊と密接に関係する。
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Research Products
(3 results)