2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540267
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
ベンツ ヴォルフガング 東海大学, 理学部, 教授 (20168769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 紘一 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60012382)
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Keywords | ハドロン物理 / クォーク物理 / 核子の構造関数 / 核子の形状因子 / 核物質 / 原子核の構造関数 / 応答関数 / 高密度物質 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績は次の通りである: 1)有効クォーク理論の枠組みで核子をクォーク・ダイクォーク状態として記述し、先ず単独の核子の構造関数を計算した(論文リストNo.1).計算結果は実験データおよび経験的なクォーク分布関数を非常によく再現できることが分かった。その記述を元にし、核物質中の核子のスピンに依存する構造関数を評価した(論文リストNo.2).結果として、偏極EMC効果(polarized EMC effect)は通常の非偏極EMC効果(unpolarized EMC effect)よりも大きいことを指摘した。また、最近の研究で有限な原子核に対する偏極EMC効果およびスピンの和側を計算し、理論による予言を提供した(論文リストNo.3).この予言は将来の偏極加速器実験に大きなインパクトを与えることになる。 2)核物質中の核子の電磁形状因子に対する媒質効果を評価した(論文リストNo.4).この研究で、核子についてのクォーク・ダイクォーク模型に更に中間子雲の影響も取り入れ、形状因子に対する媒質効果を定量的に求めた。その計算結果を使い、核物質の応答関数(longitudinal nuclear response function)を求め、準弾性散乱のピーク付近で媒質効果は重要であることを指摘した。 3)上記の研究に基づく核物質の状態方程式を高密度領域へ拡張し、クォーク物質への相転移も取り入れ、中性子星およびクォーク星の性質について研究した(論文リストNo.5,6).特に、クォーク物質のカラー超伝導状態は状態方程式および中性子星の質量、半径などに大きな影響を与えていることが分かった。
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Research Products
(6 results)