2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540282
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
名取 晃子 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50143368)
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Keywords | 2重量子ドット / スピン結合 / 電子相関 / 量子モンテカルロ法 |
Research Abstract |
二重量子ドットの少数電子束縛状態では、電子相関効果をできるだけ正確に考慮すること重要となる。 縦型2重量子ドットの2電子束縛状態のスピン相関と電荷相関の解明のために、原理的には電子相関効果を厳密に取扱える拡散量子モンテカルロ法に基づいて、昨年度開発した計算機プログラムの改良を行った。その結果、昨年度の計算結果に比べ、2重量子ドットのスピン結合強度の標準偏差を1/4近く縮小することに成功した。また、2重量子ドット内での電荷相関の計算もできるようになった。 縦型2重量子ドットのスピン結合強度は、ドット間のバリア幅に依らず反強磁性的であり、バリア幅が大きいときには指数関数的に減少する。ドット間の電子飛び移り積分値との比較より、反強磁性スピン結合機構の知見を得ることができた。ドット間バリア幅が大きなときには、電子相関効果により、2電子は別々のドットに分かれて存在することも分った。 さらに、スピン結合強度の磁場制御を目指して、磁場印加下での計算もできるように、新たなプログラムの開発を行った。 磁場下での結果も含めて、論文にまとめる準備を始めている。
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