2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540282
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
名取 晃子 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50143368)
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Keywords | 2重量子ドット / スピン結合 / 電子相関 / 量子モンテカルロ法 / ハバードモデル / スピン相関 / 磁場 |
Research Abstract |
2重量子ドットの少数粒子束縛状態では電子相関効果が重要であり、原理的には電子相関効果を正確に考慮できる拡散量子モンテカルロ法を用いた2電子束縛状態の計算を行った。 平成16年度に開発した数値計算プログラムを用いて、ドット間隔、ドットの横方向閉じ込めポテンシャル強度、印加磁場強度を変えた計算を行い、2重量子ドット内2電子束縛状態のスピン相関、電荷相関を調べた。 横方向閉じ込め強度とドット間隔により、ドット間結合は2電子が主に結合状態を占有する強結合領域と2電子が別々のドットに分かれて存在する弱結合領域に分類できる。 零磁場では、ドット間隔、横方向閉じ込めポテンシャル強度によらず、常に反強磁性状態が基底状態となり、バリア幅増加とともに、強結合領域から電荷相関により2電子が別々のドットに分かれて局在する弱結合領域への移り変わりが生じる。弱結合領域での反強磁性スピン結合強度は、ハバードモデルに基づく解析でよく記述できる。磁場強度増加により、横方向閉じ込めポテンシャル強度が弱い場合は基底状態転移が起こる。基底状態は反強磁性状態と強磁性状態間を交互に取り、スピン結合も反強磁性、強磁性結合を交互に取る。他方、横方向閉じ込めポテンシャル強度が強い場合は、磁場印加による基底状態転移は抑制される。 以上の結果はISSS-4で発表すると共に、論文にまとめ、現在、投稿中である。
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Research Products
(2 results)