2004 Fiscal Year Annual Research Report
メタン-エタンガスハイドレート単結晶の作製とその弾性的性質および構造安定性の研究
Project/Area Number |
16540284
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐々木 重雄 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30196159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 徹二 岐阜大学, 工学部, 助手 (30293541)
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Keywords | 天然メタンハイドレート / メタン-エタンハイドレート / エチレンハイドレート / メタン-エチレンハイドレート / ダイヤモンド・アンビル・セル / ラマン散乱 / ブリュアン散乱 / 弾性的性質 |
Research Abstract |
本研究課題では,天然メタンハイドレートの成分に近いメタン-エタン混合ハイドレート,メタン-エチレン混合ハイドレートの単結晶を高圧ダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)を用いて作製し,その弾性的性質および構造安定性を決定すること,さらにゲストメタン,エタン,エチレン分子の弾性的性質への役割(ゲスト-ホスト相互作用)を明らかにすると共に,様々なガス組成比の天然メタンハイドレートの弾性的性質,構造安定性を評価するための基礎を構築することを目的としている。 本研究課題で新たに設置した小型プレハブ低温室(主要設備)より,混合ガスハイドレートの合成を行う安定した低温環境が実現できた。この低温室を用い,ガスハイドレート合成装置全体を約2℃の温度環境に保ち,エチレンハイドレートおよびメタン-エチレン混合ハイドレートの合成を安定して行うことに成功した。さらに作製したエチレンおよびメタン-エチレン混合ハイドレートをDACの試料室に封入し,その単結晶を作製することにも成功した。 これら試料を加圧し,その圧力誘起相転移を高圧ラマン散乱測定より調べた結果,構造I型のエチレンハイドレートは1.6GPa,2.0GPaで高圧ハイドレート相へ転移し,3.0GPaでエチレンと氷に分解することが分かった。また,構造I型のメタン-エチレン混合ハイドレートは1.7GPa,2.1GPaで高圧ハイドレート相へ転移し,3.5GPaでメタン,エチレンと氷に分解することが見出された。構造I型メタンハイドレートは0.9GPaで構造H型ハイドレートへ転移することから,構造I型エチレンハイドレートおよびメタン-エチレン混合ハイドレートの存在圧力領域はメタンハイドレートより広く,包接されるゲスト分子が大きい方が構造I型ホスト水ケージの安定性が高いことが明らかになった。
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