2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規シリコンネットワークを持つジシリサイド薄膜単結晶の合成と電子構造の研究
Project/Area Number |
16540290
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷口 雅樹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10126120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 昭司 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90081314)
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
木村 昭夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00272534)
佐藤 仁 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (90243550)
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Keywords | ジシリサイド薄膜単結晶 / 表面反応 / CaSi_2 / シリコンネットワーク / 角度分解光電子分光 |
Research Abstract |
Si単結晶基板上にCa,Sr,Laを蒸着すると、表面反応により、ダイヤモンド構造とは異なる多様な新規SiネットワークをもつMSi_2(M=Ca,Sr,La)薄膜単結晶が形成される。Siと同じIV族のC(炭素)は、ダイヤモンド構造の他に、グラファイト、C_<60>、カーボンナノチューブなど様々なネットワークを形成するが、Siに関してはこれまでダイヤモンド構造しか知られてこなかった。本研究では、MSi_2薄膜単結晶を合成し、Siネットワークおよびネットワーク間に存在するMの種類に依存したバンド構造の変化を調べる。本年度は昨年度に引き続き、CaSi_2/Si(111)薄膜を作成し、角度分解光電子分光実験を行った。 Si(111)基板は、直接通電により約1000℃に加熱して清浄化を行った。清浄後は明瞭なSi(111)7x7 RHEEDパターンが観測された。Caの蒸着はAlNセルを抵抗加熱することにより行った。基板温度600deg.、蒸着速度0.07A/sでCaSi_2薄膜単結晶の育成に成功した。育成した薄膜に対し、広島大学放射光科学研究センター、BL7,BL9において、in situで角度分解光電子分光実験を行った。膜厚を大きくするに伴い、Γ-K、Γ-M方向において、フェルミ面をクロスする、Ca 3d-Si 3p混成バンドが観測された。実験結果は概ねLAPWによるバンド計算の結果と一致するが[1]、膜厚が大きくなるにしたがって、フェルミ波数が大きくなる様子が観測された。また、対称性を反映した六回対称のフェルミ面の観測に成功した。 [1] S.Fahy and D.R.Hamann, Phys.Rev.B41,7587(1990).
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Research Products
(6 results)