2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規シリコンネットワークを持つジシリサイド薄膜単結晶の合成と電子構造の研究
Project/Area Number |
16540290
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷口 雅樹 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (10126120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 昭司 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (90081314)
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
木村 昭夫 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (00272534)
佐藤 仁 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (90243550)
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Keywords | ジシリサイド薄膜単結晶 / 表面反応 / SrSi / シリコンネットワーク / 角度分解光電子分光 |
Research Abstract |
Si単結晶基板上にCa, Sr, Laを蒸着すると、表面反応により、ダイヤモンド構造とは異なる多様な新規SiネットワークをもつMSi_2(M=Ca, Sr, La)薄膜単結晶が形成される。Siと同じIV族のC(炭素)は、ダイヤモンド構造の他に、グラファイト、C_<60>、カーボンナノチューブなど様々なネットワークを形成するが、Siに関してはこれまでダイヤモンド構造しか知られてこなかった。本研究では、MSi_2薄膜単結晶を合成し、Siネットワークおよびネットワーク間に存在するMの種類に依存したバンド構造の変化を調べる。昨年度までに、CaSi_2/Si(111)薄膜単結晶の育成を行い、角度分解光電子分光から、Γ-K、Γ-M方向でのバンド分散を得ることに成功した。 今年度からSr/Si系に移行した。Sr用の蒸着源を整備し、最初にSi(100)基板を用いてSrSi_2薄膜単結晶の育成を試みた。Si(100)基板は(111)と比較して酸素が吸着しやすく、更にSrはCaに比べて蒸着中の脱ガスが多いため、蒸着中の真空度が著しく悪化する。真空度の改善を行うために、Si基板の近くに液体窒素だめを制作した。RHEED、オージエ電子分光、X線回折で評価を行いながら、蒸着速度、蒸着中の基板温度の最適化を試みたところ、SrSi_2単結晶はSi(100)基板土には成長しないことが明らかになった。Ca/Si(100)同様に、非晶質SrSi_2が形成されている可能性がある。現在はSi(111)にSrSi_2の育成を試みており、SrSi_2薄膜単結晶のものと考えられる2×1 RHEEDバターンを得ることに成功している。
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Research Products
(6 results)