2005 Fiscal Year Annual Research Report
コバルト系超伝導体の凝縮対対称性に対する最適化変分モンテカルロ法による研究
Project/Area Number |
16540306
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 寿敏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60212304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小形 正男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60185501)
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Keywords | コバルト系 / 超伝導対称性 / 三角格子 / 変分モンテカルロ法 / フラストレーション / モット転移 / 非単調d波ギャップ / ダブロン-ホロン束縛 |
Research Abstract |
コバルト系超伝導体のモデルである三角格子及びそれに関連した格子構造に対し、最適化変分モンテカルロ法をハバード型モデル及びその強相関モデルであるt-J型モデルに適用し、基底状態及び低温での性質を調べた。 まず、前年度に行った三角格子の単バンドモデルの結果を基に、コバルト系酸化物ではd軌道の縮退が重要であるという観点から、2次元三角格子の2バンドハバードモデルにおける基底状態の性質、特に超伝導の安定化条件や電子対の対称性を、VMC法を用いて調べた。コバルト酸化物のバンド計算の結果の本質的な部分を再現できるような、簡単な1電子構造を仮定し、電子間相互作用と電子密度を変化させて、様々なクーパー対対称性の超伝導状態について計算を行ったところ、ハーフフィリング近傍の、ポケット状非連結のフェルミ面がvan Hove特異点に重なる電子密度のときに、電子間相互作用の大きな領域で、s,d+id,dx2-y2,p+ip波の各対称性を持つ超伝導状態が安定化し、このうち最低エネルギーの状態はd+id波であった。この超伝導状態の安定化は、反強磁性的磁気相関の増大に起因する相互作用エネルギーの利得によってもたらされることが明らかになった。 次に、単バンドモデルについては、コバルト系との関連から、異方的三角格子(ハバードモデル)および両対角に次近接ホッピングが入ったフラストレートした正方格子(t-Jモデル)に対し、モット転移及び超伝導発現の研究も並行して行った。前者では、ハーフフィリングでのモット転移と超伝導の関連性を示した。後者では、フラストレーションの項の符号が電子ドープに対応する場合、超伝導対称性が典型的なd波から高調波の混じった非単調な角度依存性を持つギャップへと電子密度のパラメーターと共に変化することが示された。
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