2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540315
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (10234709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多々良 源 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (10271529)
|
Keywords | 電流に駆動された磁壁の運動 / 電流に駆動された磁気渦の運動 / スピントルク / スピン移行 / ベータ項 / スピン緩和 / ピン止め / Landau-Lifshitz-Gilbert方程式 |
Research Abstract |
1.強磁性ドットには磁気渦構造が実現することが知られているが、この磁気渦を電流により操作することの基礎理論を定式化した。具体的には、電流の下での運動を記述する運動方程式を導き、特に直流電流の下での運動を解析した(柴田、仲谷、多々良、河野、大谷:Physical Review Bに掲載済)。 2.細線における磁壁の電流駆動について、外的ピニングおよびbeta項の効果を含めて、詳細に解析した。係数betaの大きさ、ピン止めの強さ、困難軸磁気異方性の相対的な値により、電流によるピン止め外れの機構に数種類存在することを見出し、それぞれの場合に電流閾値と(ピン止めから外れた場合の)磁壁の移動速度を求めた(多々良、他:Journal of the Physical Society of Japanに投稿中)。 3.電流が磁化に及ぼすスピントルクを、伝導電子系に非磁性および磁性不純物の存在する場合に微視的に計算した。非磁性不純物のみの場合はbeta項は生じず、磁性不純物の存在により有限のbeta項が生じることが分かった。これは、今まで現象論的に議論されてきたbeta項に対して、初めて微視的な計算を与えるものである。(論文準備中)。
|
Research Products
(1 results)