2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540315
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (10234709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多々良 源 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (10271529)
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Keywords | スピントルク / スピン流 / スピン緩和 / Landau-Lifshitz-Gilbert方程式 / Gilbert緩和 / 磁壁 / 磁気渦 / コア反転 |
Research Abstract |
1.細線における磁壁の電流駆動について、外的ピニングおよび新しい型のトルク(beta項)の効果を含めて、詳細に解析した。beta項の大きさ、ピン止めの強さ、困難軸磁気異方性の大小関係によって、電流によるピン止め外れの機構に数種類存在することを見出し、それぞれの場合に電流閾値と(ピン止めから外れた場合の)磁壁の移動速度を求めた(G.Tatara, T.Takayama, H.Kohno, J.Shibata, Y.Nakatani and H.Fukuyama, J.Phys.Soc.Japan 75(2006)064708)。 2.電流が磁化に及ぼす種々のスピントルクを、伝導電子系のスピン緩和を磁性不純物によりモデル化した簡単な場合に微視的に計算した。これは、今まで現象論的に議論されてきたbeta項に対して、初めて微視的な計算を与えたものである。(H.Kohno, G.Tatara and J.Shibata, J.Phys.Soc.Japan 75(2006)113706)。 3.京都大学化学研究所の小野グループにより、強磁性ドット中の磁気渦の電流による共鳴励起が実験的に観測された。代表者はその理論的側面からの補助を行った。(S.Kasai, Y.Nakatani, K.Kobayashi, H.Kohno and T.Ono, Phys.Rev.Lett.97(2006)107204)。 4.小野グループ(同上)により、強磁性ドット中の磁気渦コアの電流による反転が実験的に観測された。代表者はその理論的側面からの補助を行った。(K.Yamada, S.Kasai, Y.Nakatani, K.Kobayashi, H.Kohno, A.Thiaville and T.Ono, Nature Materials, to appear(2007))。
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