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2006 Fiscal Year Annual Research Report

2次元電子格子系におけるパイエルス転移とフォノンのソフト化

Research Project

Project/Area Number 16540329
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

小野 嘉之  東邦大学, 理学部, 教授 (30011761)

Keywords2次元パイエルス転移 / 電子格子相互作用 / SSHモデル / 電子相関 / 有機導体 / 異方性 / フォノンのソフト化 / スピンパイエルス転移
Research Abstract

半充填電子バンドを持つ2次元正方格子系では,フェルミ面が正方形になり,1次元の場合と同様に,1つの波数ベクトル(ネスティングベクトル)でフェルミ面上の異なる電子状態対を結びつけることが可能で,パイエルス転移が期待さる。我々はこれまでの研究で,2次元系の場合には,ネスティングベクトルだけでなく,それに平行な多くのベクトルがパイエルス歪みを形成することを示した。昨年度までの研究成果を受けて,今年度は異方性の効果,電子相関の効果に関する研究を更に深めた。異方性がフォノンのソフト化に及ぼす影響を解析する過程で,従来2次転移と考えられてきた金属相一マルチモードパイエルス相間の転移が1次転移であることが明らかになった。異方性が加わると,最初に生じるパイエルス相は,ネスティングベクトル成分の歪みだけからなる単一モードパイエルス相であることが示されたが,更に降温すると,マルチモードパイエルス相へ1次転移すること,引き続く降温過程において,少しずつパターンの異なるマルチモード相が現れ,絶対零度においては,異方性の大きさに応じたマルチモード相に落ち着くことを確かめた。異方性パラメータを増大に伴い,ある臨界値で,単一モードパイエルス相に連続的に移行していく様子も数値的に確認した。また,正方格子に近い異方的三角格子の場合も調べた。これは有機導体におけるθ型格子を模したもので,斜め方向の結合が弱ければ,マルチモード相が生き残ることがわかった。正方格子で,電子相関を考慮した場合の,強相関極限では,スピンパイエルスモデルが適するが,2次元正方格子系のスピンパイエルス転移においても,スピン-格子相互作用がある程度強くなれば,マルチモードスピンパイエルス相が実現することを,量子モンテカルロ法による解析で示した。厳密対角化の結果を確認しただけでなく,異なるパターンのスピンパイエルス状態がエネルギー的に縮退することも確かめることができた。今後,実験によって観測されることが期待される。

  • Research Products

    (2 results)

All 2006

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Correlation Effect on the Two-Dimensional Peierls Phase2006

    • Author(s)
      Shutaro Chiba
    • Journal Title

      AIP Conference Proceedings 850

      Pages: 1323-1324

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] Phonon Softening and Multimode Peierls Transition in a 2D Anisotropic Square-Lattice Electron-Lattice System with a Half-Filled Electronic Band2006

    • Author(s)
      Chiduru Watanabe
    • Journal Title

      AIP Conference Proceedings 850

      Pages: 1321-1322

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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