2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540339
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小西 哲郎 名古屋大学, 理学研究科, 助教授 (30211238)
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Keywords | カオス / 力学系 / ハミルトン系 / アーノルド拡散 / 構造形成 / フラクタル / 重力多体系 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度得られたアーノルド拡散についての結果を元に研究を進めた。また、その結果を各地の研究会にて発表し、大きな反響を得た。研究会への参加には本科学研究費補助金が大いに活用できた。 また、自己重力多体系における非熱的振舞いと構造の自発的形成に関して、新たなモデルにて一般化を図った。これまでは、(3次元の)1/r型の重力ポテンシャルをそのまま1次元化した、いわゆる「シートモデル」を用いていたが、「ポテンシャルがべき型である」ことと「相関がべき型である」事の関連をより深く考察するために、ポテンシャルを一般化して|r|^α型とした。その結果、これまで考えられていた、相互作用ポテンシャルがべき型(すなわち特徴的スケールを持たない)なので、生じる相関もべき型になる、という考え方が精密化され、ポテンシャルのべきの指数によって相関が変わることがわかった。具体的には、重力多体系に相当するべきの値α=1およびそれよりやや大きい値ではべき形の相関が生じるが、べきを大きくするにつれ、その相関が消失することが、数値計算およびボルツマン方程式の線形摂動により分かった。この結果は論文にまとめられて刊行された。 また、9月に早稲田大学にて行われた国際会議"3^<rd> 21COE Symposium : Astrophysics as Interdisciplinary Science"にて"Dynamical Order in Hamiltonian Systems with long-range interaction"と題する招待講演を行った。ここでは、多自由度ハミルトン系での非熱的振舞いと秩序化について、これまでの研究成果を含めた報告を行った。この国際会議の報告集はIOP Publishingから出版予定である。
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Research Products
(1 results)