Research Abstract |
平成16年度は,交付申請書の計画実施計画の通りに,研究を進めた.すなわち,中性フリーラジカルの高純度かつ運動量の揃った定常フラックスビームの高効率生成法として研究代表者が提案し実験成果を挙げてきたPDECB法およびPDINIB法について,まず,素過程の理論設計と精密実験に基づいて,生成できるフリーラジカル種の更なる多様化および効率と制御性の更なる向上を図った.具体的には,以下の1.と2.を並行して進めた. 1.PDECB法の開発: まず,dimethyl group-III nitreneフリーラジカル((CH_3)_2GaN,(CH_3)_2AIN)の高純度な高フラックスビームをPDECB法によって効率良く生成する手法の開発を進めた. さらに,以前のCH_3N_3,C_2H_5N_3などを光ラジカル解離させた実験で得た"水銀増感等を用いなくても効率良く項間交差が起こる"という結果が,(CH_3)_2GaN_3,(CH_3)_2AIN_3の光解離についても成り立つことを確かめた.項間交差を経るにもかかわらずなぜ高い効率でフリーラジカルが得られるのか,ビーム分光測定やQ-Massによる生成物の分析の実験結果を踏まえて,(CH_3)_2GaN_3,(CH_3)_2AIN_3の光ラジカル解離メカニズムの理論解明を進めた. 2.PDINIB法の開発: RBNRプロセス装置試作機において,平成17年度に希薄磁性半導体薄膜の成長実験を行なうのに充分なフラックスのRBNR生成を達成することを目標に,平成16年度は,PDINIB法によって磁性原子(Cr)の中性ビームを生成する条件,まず,Csによる荷電交換を利用したスパッタ型負イオン源による負イオン(Cr^-)ビーム生成の条件の最適化に取り組んだ.
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