2004 Fiscal Year Annual Research Report
静電場中における原子の多電子光励起共鳴の高分解能測定
Project/Area Number |
16540362
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
東 善郎 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (50270393)
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Research Abstract |
本研究において重点をおくヘリウムは、電子相関を有する最も簡単な原子であり、原子分光研究において非常に重要な位置をしめている。初の測定が60年代に行われて後、ヘリウム2電子光励起共鳴に代表される独立電子近似を超えた、電子相関に起因する効果は、放射光を用いた原子物理の主要テーマとなっていった。良くしられている水素様原子のStark効果とは異なり、電子相関に支配された系の構造、そして崩壊過程のダイナミックスに対する静電場の影響の研究が多電子光過程の理論研究に新しい局面を切り開くことが期待される。そして、将来は、他の希ガスおよびリチウムの2電子光励起、3電子光励起等に研究が展開することであろう。さらに、本研究の実験方法の特色として、時間構造を利用した新しい技術による蛍光検出と準安定原子検出、そしてそのために放射光のシングルバンチ運転の利用を推進するということがある。 平成16年度においては、本装置にsuper-sonic expansion chamberをそなえるなどの改良を行い、ターゲット密度の増大と指向性の改善をはかった。そのことによって、今までの実験で困難であった、蛍光と準安定原子の測定も中でおこなえるようになった。今までのデータによると、強電場中のN=6付近の光イオンスペクトルの実験と理論の比較については、予想された共鳴のエネルギー位置のずれおよび形状変化に加えて、数多くの通常は禁制になってる遷移が出現している。かなり理論との違いもみられるが、イオン以外のチャンネルによる崩壊ルートが強く機能していることも理由であり得る。したがって、このエネルギー領域およびやや高い領域において、蛍光と準安定原子を含めた測定を進め、現在解析作業が進行中である。
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Research Products
(2 results)