2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工ダイヤモンド放射線検出器の温度依存性および放射線耐性についての研究
Project/Area Number |
16540365
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
内堀 幸夫 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線安全研究センター・宇宙放射線防護プロジェクト, 研究員 (50342879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 利介 神奈川大学, 工学部, 専任講師 (40202006)
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Keywords | 放射線検出器 / 人工ダイヤモンド / 放射線耐性 / 温度依存性 |
Research Abstract |
本年度は、ダイヤモンド検出器の放射線に対する応答(測定精度)を調査するためのシステムの構築から始めた。まず、Am241α線をダイヤモンド検出器に照射するために、ターボ分子ポンプ、および、真空計を購入し、既存のロータリーポンプと接続して、約10リットルの真空チェンバーを高真空に引けるようにした。一部、信号コネクタ部から真空漏れが発生し、その修正に時間を要したが、期待される真空度に達した。また、検出器に接続するプリアンプ部を調整して、高真空において高電圧を印可できるようにした。Am241α線源をダイヤモンド検出器の近傍に設置し、検出器に照射し、その信号をプリアンプ、メインアンプで処理し、MCAで計測した。この情報が、以後、大線量放射線照射後、および、温度変更時の基礎データとなる。 また、真空チェンバー内で検出器の温度を調整できるように、既存のペルチェ素子タイプ温度勾配装置のセットアップを行った。液冷用の循環水システムなどの構築が終了し、温度変動試験に移行する。 さらに、ダイヤモンド検出器に重イオンビームを照射する実験を放医研HIMACのビームを利用して実施した。今回は大線量ではなかったが、今後の基礎データが取得できた。 また、サイクロトロンによる陽子線ビームによる検出器への照射実験に備えて、サイクロトロン・ビームポートの照射野の調整を行った。70MeVの陽子線で平坦な照射野を確保するために、ワイヤーチェンバーを使用して、ワブラー電磁石の調整を行い、約10cm直径の平坦な照射野を確認した。このようにして、今後の照射実験の準備が整った。
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