2004 Fiscal Year Annual Research Report
誘電分光法と小角散乱による生体由来物質群の自己組織化機構
Project/Area Number |
16540372
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 高彰 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (20373029)
|
Keywords | 化学物理 / ナノ構造物性 |
Research Abstract |
本研究は、「水を機能性液体と捉える視点」を礎として、「両親媒性高分子・液晶・ゲルなどが高度に自己組織化された分子複雑系(生体を含む)の構造や機能性の起源」を解明することを究極的な目標としている。今年度は、超高精度の分光学的手法(誘電分光+非弾性光散乱)と散乱法(小角X線散乱)の組み合わせによって、分子ダイナミクスとナノスケールにおける空間情報の双方を詳細に分析し、水、親水性物質、疎水性物質、電解質等から成る分子複合体が示す多様な時空構造の解明を行った。 (1)複数の分光器を駆使して現在可能な最高精度で測定した水の50MHz〜18THzの誘電スペクトル(データ供与による先駆的なTHzデータも一部含む)を分析し、サブテラヘルツ領域でのデバイ緩和からのズレと縦分極関数の対応性の発見から、誘電誘電摩擦の記憶効果やマイクロ波領域でのマルコフ性の発現などの分子機構を詳細に論じることが出来た。(2)また、これまで未解明であった水素結合液体の一次(誘電)及び二次(非弾性光散乱)の動的感受率の対応性を普遍的に説明することに成功した。(3)さらに、機能性付加した蛋白質や脂質複合体に小角散乱法の最新鋭機による測定法を適用し、絶対強度で得られた散乱曲線のGIFT法による精緻な分析から、ナノ粒子のサイズ、形状、内部構造及び、粒子間相互作用ポテンシャルの情報を得た。 夏季及び冬季にオーストリアGraz大やドイツRegensburg大に渡航して海外共同研究者との議論や海外機関の先端的装置を用いた測定を積極的に行った。論文発表5件、国内招待講演3件、国際会議発表3件の成果をあげることが出来た。
|
Research Products
(5 results)