2005 Fiscal Year Annual Research Report
マリアナでの日米合同海陸長期地震観測による背弧域地下構造の解明
Project/Area Number |
16540378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩原 肇 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60211950)
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Keywords | マリアナ / 深発地震 / マントル構造 / 二重深発面 / 海底地震観測 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、2001・2003年に実施した長期海底地震観測データの解析を、米国側代表者のDouglas Wiens教授と協力して実施した。また、海洋研究開発機構の深海調査研究公募で採択された、マリアナ海域における未回収長期型海底地震計の潜水回収調査を2005年7月に実施し、本研究に関わる3台(及び1999年設置の1台)の回収を無事に完了した。これにより、2度の長期海底地震観測での使えるデータ全てが揃ったことになり、日米の関係者間で必要なデータ交換がほぼ完了した。 2003年の日米合同観測のパイロット的観測として2001年に行った観測のデータ解析では、潜水回収した2台の海底地震計のデータを加えて約1年間分の地震記録を再度読み取った。そして、その地震波到着時刻データを用いて、震源決定と3次元速度構造の同時決定を再度行った。追加されたデータにより観測点配置が改善され、背弧側のマリアナトラフ内での浅い震源分布がより明確に得られるようになった。速度構造モデルについては、震源・観測点配置が非常に限定されているため充分な解像度が得られるまでには至っていないが、島弧下のマントルウェッジがP波速度はやや低速度であるがS波速度では標準的値であるように見える。また、1次元構造モデルによる震源決定でも見えていた二重深発面は、さらに詳細な様子が得られ、前弧側の巨大蛇紋岩泥火山付近で二重深発面の上面部分が始まっていることが分かった。その後、深発地震は深さ100km付近で一旦活動度が低くなるが、150〜250kmまで高い活動が続いている。 2003年の観測データ解析は主に米国側で進められており、S波異方性・表面波解析・震源決定・実体波トモグラフィーなどを行っている。 これらの日米に於ける関連した研究成果は、2005年12月のAGU学会にて口頭で1、ポスターで6の発表がなされている。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Long Term Seismic Observation in Mariana by OBSs : Double Seismic Zone and Upper Mantle Structure2005
Author(s)
Shiobara, H., Sugioka, H., Mochizuki, K., Oki, S., Kanazawa, T., Fukao, Y., Suyehiro, K.
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Journal Title
Eos Trans.AGU, Fall Meet.Suppl., Abstract 86・52
Pages: T53A-1407