2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540382
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Research Institution | Yachiyo International University |
Principal Investigator |
榎森 啓元 Yachiyo International University, 総合経営学部, 准教授 (30262257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 清 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10025455)
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Keywords | 巨大衝突 / 惑星集積 / SPH流体 / 原始惑星 |
Research Abstract |
今年度は研究の最終年度である。研究のまとめに向けて、地球質量の天体への原始惑星の衝突による質量と角運動量の再分配を、衝突する天体の質量を変えながら再現し、そのモデル化を行った。同時に天体の状態方程式として用いているポリトロープ方程式の指数を変え、結果の状態方程式依存性を確認した。 最初にポリトロープ指数4の場合について質量比を0.03から1.0まで変えながら衝突を再現し、衝突した惑星の何割が標的の惑星(地球質量の惑星)へ集積するかを確認した。結果は以下の通りであった。 1)最接近距離が2天体の半径の和の0.7倍以下の場合は、最接近距離と衝突する天体の質量比とに依存せずに、100%集積する。 2)最接近距離が2天体の半径の和の1.0倍以上の場合は、集積する質量の割合は最接近距離と衝突天体の質量比に依存する。この領域での質量集積率は天体の質量比に対して幕関数的に依存し、幕指数は3/5である。また、最接近距離には指数関数的に依存することも判明した。 3)最接近距離が2天体の半径の和の0.7倍以上、1.0倍未満の場合は多重回の衝突が起こるために集積率の適当なモデル化が困難であった。およそ20%の誤差を見越して、集積率50%と近似することが現在の研究結果としては最適であり、より一層の精密化は今後の研究を必要とする。 以上の結果、衝突の大部分を占め衝突パラメーターが比較的大きい惑星の衝突について高い精度での質量再分配モデルを構築できた。惑星形成の今後の研究への応用が期待できる。
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Research Products
(4 results)