2004 Fiscal Year Annual Research Report
関東地域のプレートの二重沈み込みに伴う変形過程の研究
Project/Area Number |
16540384
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鷺谷 威 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (50362299)
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Keywords | 関東地方 / 地殻変動 / GPS / 二重沈み込み / 有限要素法 / 2000年三宅・神津イベント |
Research Abstract |
1.2000年三宅・神津イベント後の関東地方における地殻変動パターンの変化 2000年に伊豆諸島北部の三宅島,神津島周辺で活発な地震・火山活動(三宅・神津イベント)が発生したが,この時に関東地方を含む周辺地域では顕著な地殻変動が生じた事が明らかとなっている.このイベント以降,関東地方では地殻変動の方向に変化が見られていたのだが,本研究ではGPS観測データに基づいて,それ以前と比べて東向きの地殻変動成分の増えたこと,また,この東向きの地殻変動成分が時間の経過とともに収まりつつあることを明らかにした.さらに,この地殻変動をもたらした原因について考察し,1)三宅島・神津島周辺のダイク貫入,2)沈み込むフィリピン海プレートの上面の余効すべり,3)沈み込む太平洋プレートの上面の余効すべり,4)ウェッジマントルにおける粘性緩和等の可能性について考察した結果,フィリピン海プレートの下面が太平洋プレート上面と接している境界面において,伊豆諸島のダイク貫入による変形で断層すべりが誘発され,応力緩和とともに収まりつつあるのではないか,という仮説を得た.ここで得られた結論は定住的なものであるが,今後,定量的なモデル化を通して仮説の検証を行う. 2.有限要素法プログラムのインストール 本課題は年度途中での追加採用となったため,課題の実施が遅れた.そのため,有限要素法プログラムABAQUSについては,ソフトウェアをインストールして研究環境を整備するのにとどまった.今後,解析の経験を積みながら,関東地方を対象とする具体的な解析に取り組んでいく予定である.
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Research Products
(2 results)