2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540387
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤田 清士 神戸大学, 理学部, 助手 (00283862)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 智男 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (40260666)
乙藤 洋一郎 神戸大学, 理学部, 教授 (90160895)
|
Keywords | 固体地球物理学 / 地球電磁気学 / 地球・惑星内部構造 / 地殻・マントル物質 / 岩石・鉱物・鉱床学 |
Research Abstract |
地殻内構造を議論する際には、観測から得られた電気伝導度構造だけでは議論できないため、地殻内に存在する岩石の電気伝導度のメカニズムを解明しなくてはならない。本研究では、室内実験から得られる岩石・鉱物の電気伝導度を観測データと直接比較することにより、相互のデータの信頼性を明らかにする目的がある。 本年度は最終年度にあたり、下部地殻岩石の代表であるグラニュライト・片麻岩・角閃岩・塩基性岩と地殻内に存在する含水鉱物のブルーサイトなどの多種多様な試料の電気伝導度測定を行った。実験では温度・圧力条件のみならず、実験前と実験後の分析評価が重要なため、試料の元素分析や鉱物の顕微鏡観察を行った。電気伝導度測定用試料は超音波加工機で他の物質と反応しないように成型した。高温・高圧下における電気伝導度測定実験は岡山大学地球物質科学研究センターで行った。地殻内での温度条件としては最大約1200K(900℃)までとし、圧力は0.5-1.0 GPaを発生させた。 本年度の最大の成果は、圧力発生及び温度制御についてはマルチアンビルの圧力校正、ヒーターコントローラーの校正が十分に行われていたため、安定的な実験を数多く遂行できたことである。電気伝導度測定のシステムは完成の域に達し、岩石内の鉱物配列の差異により電気伝導のメカニズムが異なることや含水鉱物の相境界付近で急激な電気伝導度が見られるなどの数多くの知見を得ることができた。さらに、試料の含水率や空孔の評価を行う理論的な研究にも発展できる事が判明した。 測定装置に関する技術的な成果・実験成果及び地球物理学的な解釈については、国内学会の日本地球惑星科学連合2006年大会や第18回国際地球電磁気研究集会及び2006米国地球物理学会秋季大会において発表した。その詳細な結果についても、国際学術誌のTECTONOPHYSICS誌及びEPS誌に論文が受理された。
|
Research Products
(6 results)