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2004 Fiscal Year Annual Research Report

暴走温室効果発生と生物生存可能惑星の条件の再検討

Research Project

Project/Area Number 16540395
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

阿部 豊  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90192468)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 阿部 彩子  東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (30272537)
Keywords暴走温室効果 / 水蒸気フィードバック / 多重平衡状態 / 海惑星 / 陸惑星 / 太陽放射の増大
Research Abstract

太陽系外の惑星に生物の存在できる環境がどれほどあるかは興味深い問題である。生物生存可能条件の指標に水の存在がある。暴走温室効果は、惑星が水を失うに至る機構として、生存可能惑星の軌道半径の下限を与える。すでに暴走温室効果発生は一次元の放射対流平衡モデルで詳しい研究があるが、従来の研究は、一次元無限量の水で考えていた点に問題があり、3次元有限水量系では暴走温室効果が発生しない可能性が想定された。
本年度の成果は以下の通り:
1.気候システム研究センターと国立環境科学研究所が共同開発してきた大気大循環モデルCCSR/NIES AGCM 5.4gを使用して、太陽放射を増大させる実験を行った。暴走温室効果発生条件に近いとき、モデル中の擾乱が激しくなって計算が破綻する場合が知られている。地面は陸惑星として単純化し、与える水の量を変化させ、また鉛直分解能等を改善することで、全ての水が蒸発しても計算自体は破綻しないで実行できた。
2.その結果、A.暴走条件を超えても液体の水が高緯度に残る場合(暴走温室効果非発生)を確認した。B.初期に惑星表面に一様に与える水の量によって暴走温室効果非発生の条件が影響を受けることを確認した。C.表面に水がある状態から太陽放射を増大させる場合と、全ての水が蒸発した状態から太陽放射を減少させる場合で、同じ太陽放射でも異なる状態が発生することを確認した。BとCは思考実験によって予想された多重平衡状態の存在を確認したものである。
3.一次元放射対流平衡モデルによって、有限水量の場合の大気構造を再検討した。従来、全ての水が蒸発してしまった大気構造は詳細に検討されていなかった。この大気構造を検討した結果、大気構造に多重性が発生する可能性が示唆された。
4.多重解構造の詳細や放射対流平衡モデルと大循環モデルで見られた多重性が同じものか否かの検討は今後の研究課題である。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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