2004 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯対流圏界面付近に存在する赤道ケルビン波の時空間構造の解明
Project/Area Number |
16540398
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩谷 雅人 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (50192604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 憲之 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00222183)
堀之内 武 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (50314266)
江口 菜穂 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (50378907)
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Keywords | オゾン / 水蒸気 / 熱帯大気 / 赤道波 / 成層圏・対流圏交換 / 対流圏界面 |
Research Abstract |
申請書にある研究計画に沿って,今年度の研究実績について記す. 1.全球気象データの収集とその吟味:まず,現時点でもっとも信頼性が高いと考えられるヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の再解析データを入手して長期間のデータの性質について調べた.同時に,同様な全球データ(NCEPや衛星観測データ)も整理して,特に熱帯対流圏界面領域のデータ質について相互比較・検討をおこなった.その結果,ECMWFの再解析データは長期間にわたって安定したデータ質を示しており,本解析に適当であることがわかった. 2.全球気象データを用いたケルビン波解析:ECMWFの再解析データにもとづき,構造の明確な波動を捉えるのに最も適していると考えられる時空間スペクトル解析法を用いて,ケルビン波のシグナルを検出した.このようにして検出されたケルビン波シグナルの強度について,特に季節変化,さらにはエルニーニョ・南方振動(ENSO)サイクルと関連した長期変動に着目しながら,その時間-空間変動の特徴を抽出した. 3.数値モデルを用いたケルビン波実験に向けた準備:どの気象要素がケルビン波活動性と関連しているのかに関する部分の考察がまだ不十分で,現時点ではまだ,数値実験をおこなう準備に手がついていない. いっぽう,衛星観測データ解析から,季節内振動のケルビン波応答が水蒸気の脱水過程にも重要な役割を果たしている可能性を示した.今後は,ケルビン波活動度と季節内振動との対応関係や,対流圏内の対流活動や流れの場との対応関係を明らかにしていく予定である.
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Research Products
(1 results)