2004 Fiscal Year Annual Research Report
長距離基線干渉計観測による木星デカメータ電波源構造の解明に関する研究
Project/Area Number |
16540407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
中城 智之 福井工業大学, 工学部, 講師 (00367509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大家 寛 福井工業大学, 工学部, 教授 (80025931)
小野 高幸 東北大学, 理学部, 教授 (10141996)
飯島 雅英 東北大学, 理学部, 助教授 (80232114)
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Keywords | 電波天文学 / 低周波 / 長距離干渉計 / デカメータ電波 / 木星 / 太陽 / 惑星 / DSP |
Research Abstract |
本研究の目的は、東北大学の蔵王、米山、飯舘観測局と福井工業大学の芦原観測局によって構成される長距離基線干渉計システムを構築し、木星デカメータ電波の電波源構造を解明する手法を確立することにある。平成16年度は、システム構築の第1段階として、米山、飯舘および芦原観測局の整備を行った。米山および飯舘観測局は、東北大学の基線長100km級の長距離基線干渉計システムの観測局として基本的な設備はすでに整っており、特にデータ取得系について整備と改良を行った。具体的には、2003年の観測で発見されていたデータ取得プログラムの不備を修正し、データ取得が安定的に行えるようにした。また、データへの時刻付けを行うために重要な役割を果たすGPS受信機について、米山観測局のシステムが故障したため、その修理を実施し機能を復帰させた。一方、芦原観測局では、本年度は受信機を東北大学より借用し、位相較正システムおよびデータ取得系を製作してシステムの整備を行った。このようにして、米山、飯舘、芦原観測局による長距離基線干渉計システムの整備を平成17年3月初旬に終了し、現在観測を実施している。今後、木星デカメータ電波の観測を観測条件が良好な平成17年6月まで行い、6月以降は太陽電波を対象として観測を継続する予定である。2004年の地球惑星科学関連学会合同大会(5月、幕張メッセ)および地球電磁気・地球惑星圏学会(9月、愛媛大学)において、観測結果より電波原構造を推定する手法について報告しており、現在、投稿準備中である。また、さらに精度の高い観測を実施することを目的としたディジタル受信機の開発については、受信機システムの構成について検討を行い必要な素子を購入した。現在、回路の試作を開始した段階であり、平成18年の観測に使用可能となるよう開発を進めていく。
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