2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540408
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
袴田 和幸 中部大学, 工学部, 教授 (90102780)
|
Keywords | コロナ磁場 / 三次元構造 / 光球磁場 / 太陽風 / 太陽圏 / 長周期変動 / 宇宙天気予報 / 宇宙気候学 |
Research Abstract |
太陽から太陽半径の数倍程度離れるとコロナガスの熱運動エネルギーが重力エネルギーを上回り,コロナガスは太陽の重力を振り切って,太陽風として惑星間空間へ吹き出してゆく。その際,太陽風はコロナ磁場を惑星間空間へと引き出し惑星間磁場を形成する。太陽風が地球近傍を吹きぬけるときにおこる惑星間磁場と地球磁場との相互作用により,惑星間磁場のエネルギーが地球磁気圏へと流入し磁気圏嵐が発生する。このように,太陽と地球はそれらの磁場を通して密接に関係しているので,コロナ磁場の様子を正確に知ることは重要である。この研究では,私自身が開発したコロナ磁場ポテンシャルモデルと光球磁場の観測値を用いてコロナ磁場を高い空間分解能で外挿し,その三次元構造を可視化した。1959年以来現在まで約45年間続けられているMt.WilsonとKitt Peakにおける光球磁場観測値を用いれば,コロナ磁場の三次元構造の長周期変化の様子を,太陽活動周期(約11年)の4回分にわたって調べることができるが,今回は,CR1800からCR2000までの201カリントン周期(約2太陽活動周期)の間,1カリントン周期毎にコロナ磁場三次元構造の図を描いた。今までは,この種の研究としては,初期のデータを用いた低分解能でかつ短時間の解析があるだけであった。この研究のように長期間にわたりコロナ磁場強度とその三次元構造の両者を同時に直感的に捉えられる図を描いたのは世界で初めてである。これらの図と太陽風速度のデータから,コロナ磁場三次元構造の長周期変動と同時に太陽圏三次元構造の長周期変動も推定できる。この結果は,宇宙天気の長期予報や宇宙気候の研究にとり重要な第一歩となる。
|
Research Products
(1 results)