2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540408
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
袴田 和幸 中部大学, 工学部, 教授 (90102780)
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Keywords | 宇宙空間 / 宇宙気候 / 太陽圏 / 太陽風 / 加速 / コロナ磁場 / 光球磁場 / 惑星間空間 |
Research Abstract |
中部大学の袴田は自信が開発したコロナ磁場ポテンシャルモデル(RF-Model)を用いて,太陽半径の2.5倍の球面(ソース面)から光球面まで,コロナ中の磁力線のトレースを行った。我々は,磁力線で結ばれたソース面上の点と光球面上の点とにおける物理量の値を直接比較できる。袴田はこの方法により,約1太陽活動周期の間の13カリントンローテーション分の,ソース面上における,コロナ磁場動径成分(B_<r_sou>)の分布図と光球磁場動径成分(B_<r_pho>)の分布図を作成した。名古屋大学の小島はトモグラフィーの方法で,電波星からの電波強度の観測値から太陽風速度(V)を推定し,磁場と同じ期間の,ソース面上の太陽風速度分布図を描いた。ソース面上の,V, B_<r_sou>,B_<r_pho>を直接比較した結果,これらの関係は,磁場強度によりデータを,(1)-1.5<log_<10>|B_<r_sou>|<0.0かつ-1.0<log_<10>|B_<r_pho>|<1.5と(2)グループ(1)以外の範囲,の2つのグループに分けると,それぞれのグループで,(1)V=960.5+328.6log_<10>|B_<r_sou>|-72.0log_<10>|B_<r_pho>|,(2)V=495.4+21.3log_<10>|B_<r_sou>|-18.5log_<10>|B_<r_pho>|,のきれいな平面の式で表されることが分った。これは太陽風が,(1)コロナ磁場強度に比例して400km/sから900km/s程度まで加速される風と,(2)磁場に依存せず常に436km/s程度の速さで吹き出す背景の風,の2種類に分けられること,および,太陽風加速が,限られたコロナ磁場強度と光球磁場強度の範囲で起こることを示唆している。太陽風速度のコロナ磁場依存性をこのようにきれいな結果として示したのは世界で初めてである。
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Research Products
(1 results)